都内で5LDKは可能？ダイナミックな空間を表現！

第一種中高層住居専用地域かつ、北側道路で斜線の影響が少ない敷地になります。角地ではないものの西側の敷地が駐車場利用のみで抜けているので、西側からも明るさを取り入れられる物件にしたいと思いました。また、敷地の間口が奥に行くにつれ若干狭くなっているので、奥にある要素の狭さを感じさせないゾーニングを検討しなくてはいけないと感じました。明るさがほしい西側に玄関とアプローチを置き、反対側に車庫と階段を持ってきています。

初めはビルドインガレージで計画していましたが、エリア的に自転車利用の方が多いという想定から、自転車も置けるようなゆとりのあるアプローチを設けたこの形に決まりました。

外壁を内側、アプローチを外側に取れたことでゆとりが出たため、植栽を入れることができ、華やかな玄関まわりを演出できたかと思います。このプロジェクトのテーマである「重厚感」を引き出す1つになったと感じています。

宅配ボックス前の天然石は、凹凸感のあるデザインで外観のアイキャッチになるように作りました。人通りの多い道に対しての仕切りとしての役目もあります。宅配ボックスは、大人数が住まわれることを想定して2段式のものを採用。側面がファサードに向いていても全体のコーディネートを邪魔しないシンプルなデザインです。

また、外観に関しては下層部に濃色を使い、重厚感を感じられるように企画しました。

敷地に対して車庫間口を充分に確保すると玄関の幅が限定されてくるので、長さを出すことで広さを確保しました。玄関の途中で建物がクランクしているのですが、その部分に沿って鏡を巻き込み、視覚的に狭まっているように見えない工夫をしています。

また、西側からの光を活かしたかったので、外壁側には腰高のシューズボックスを。それとは別に、反対側には大容量のシューズインクローゼットを企画しました。こちらの全身鏡では靴を履いた状態での身だしなみのチェックも簡単にできますよ。5LDKにふさわしい玄関収納ができあがったと思います。

今回の物件は、1階に1部屋、2階にLDKと水廻り、3階に4部屋という5LDKの間取りで構成。建物のグレード感を空間のダイナミックさで表現しました。

▪2階LDK
2階LDKの間口と天井高はこの物件の見どころの1つで、ダイナミックさを1番表現できた場所だと思います。天井高は、全体で2.55mと高く取ることができました。空間全体が同じ天井高だと視覚的にメリハリがなく高さを感じづらくなってしまうので、廊下際に柱型や梁型（一部天井を下げる）をあえて作り、淡色のクロスを使うことで立体感を感じられるよう工夫しています。

・柱型、梁型

ガラスの持つ硬質感や透明感を内装のアクセントとして取り入れたかったので、リビング収納横にはカラーガラスを採用しました。周りのアクセントクロスの柱型や同系色の扉面材、TVボード面のタイルとの繋がりの中で、品の良いアクセントになったなという印象でした。

▪洗面所
LDKと同様に洗面所も天井を高く取り、一面をモザイクタイル貼りに。鏡も大きく、ホテルライクでダイナミックな空間に仕上がりました。

▪3階
3階には4部屋を計画しました。メインサイズの部屋を3階にも作ることができたので、1階は趣味部屋などにしてもいいかもしれないですね。

4部屋あり、人の行き来も多いと思うので、廊下幅を広く取り手洗い器も設置しました。鏡は、今まで使いたかった間接照明付きのものをやっと使えたのでとても満足しています。

また、手洗い器上部の吹き抜けも見どころの1つです。吹き抜けがあることで天井に加えて側面にも羽目板を貼ることができ、平面ではなく塊としての木の魅せ方やコーディネートテーマである「シックモダン×木」を表現できたと思います。