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Story _ 08

Theme.

ビルドインガレージの2台車庫をどう作ろう?

今回の物件は、世田谷区にある1棟現場となります。アーバンガレージハウスをコンセプトに、外部空間を広く取り2台車庫を計画できる大規模なプロジェクトとなりました。外構だけではなく、内部空間も吹き抜けのユーティリティスペースや高天井のリビング空間、東京の景色を一望できる屋上など魅力の詰まった物件に仕上がりました。

Project
Floor
3階建て
Location
世田谷区

プランニング

二宅地に分割しても良い大きさの敷地を一宅地で計画するとのことだったので、規模が大きくやりがいのある現場になるなと思いました。前面道路に対しての間口が大きかったこともあり、車庫のスペースを広く取っても十分な居住空間を確保できるような土地の形状・条件だったので、1階の車庫空間(外部空間)を広く取った計画で進めました。

また、宅地地盤が道路よりも1m近く上がっていたこともあり、この高低差をうまくプランに取り込んだ計画にできたらと考えていました。当現場があるエリアは高台のため3層目や屋上からの景色がとにかく良いのですが、元々の敷地地盤が周りの住宅より高いことも活かし、景色の良さも見所になるような屋上がマストな現場になることを確信しました。

外構

前述したように、敷地と道路の高低差を利用した車庫空間を計画しました。都内で2台停められるビルドインガレージは希少ですが、今回の物件はそれに加えて通常よりもシャッターを高くし、庫内の天井高を約3mも確保しています。車高の高い車やルーフキャリア付きの車も駐車可能ですよ。ガレージを自分好みにアレンジして、生活をより楽しんでもらえたら嬉しいです。

2台車庫の取り方については、最終的に縦2台または横2台の案が出ていました。縦2台のプランはガレージハウスでの新しい暮らし方の提案としては魅力がありましたが、階段の位置取りが難しくLDKが隣地側に対してぴったりになってしまい採光の取り方が劣っていたため、横2台のプランに決まりました。横に並列で2台置ける敷地形状は間口がかなり大きくないとできないので、今回のような敷地だからこそ可能なプランだったと思います。

アプローチ部分は、無地の黒タイルを全面に使用することでアーバンガレージハウス特有の無機質さを表現しています。タイルの黒さで統一感を出しつつも門扉やルーバー材に木目を使用したり、床には白い色を使い重くなりすぎないようにバランスを図りました。

・門扉
低いと門扉の向こうが丸見えになってしまうため高さがあるYKKAPの門扉を採用。高さがあることでプライバシーの確保と重厚感の両方を叶えられたと思います。

・タイル
基礎まで貼り下げたり、サイズを変えて意匠性を出したのもポイントの1つです。

・ポーチステップのステンレス手摺
アプローチ空間の明るい床にマッチするように、ステンレスタイプの手摺を特注で作りました。当初は黒で考えていましたが、重い印象になりそうだったのでシルバーにしてライトの金物ともマッチさせました。なめらかな手触りで見栄えもするので正解だったなと感じています。

・宅配ポスト
昨年登場したパナソニックの電子錠タイプの宅配ポストを贅沢に2段設置。電子錠の宅配ポストで2段付けできるのは限られているので、利便性・見栄えともに優れものという印象でした。インターホンや郵便ポストとの色味も相まって、素敵に仕上がり満足しています。

・宅配ボックス隣のライン照明

・ルーバー
壁面後退の関係で建物と道路の間に目隠しフェンスが設けられなかったため、プライバシーの確保としてルーバーで目隠しを計画しました。スリット状に透過性があるので、中から見たときも外側の緑を感じられます。また、YKKAPのこのルーバーを使うことで、門扉色・角柱色と色合わせが可能になり、今回のような大面積での使用は統一感とダイナミックさが出て良かったなと感じました。

1階・2階ユーティリティスペース

1階と2階は吹き抜けを介して繋げつつ吹き抜け上を小屋裏収納とすることで、奥の部屋でも光が落ち、明るく遊び心ある空間ができました。敷地の奥角にあるため、1階は隣地の建物に挟まれていますが、吹き抜けのおかげで窓からの光が入り込みます。

ジム器具を置いてトレーニングをしたり、ヨガをするのもモチベーションが上がって良いのではないでしょうか。2階の天井高を活かした小屋裏収納は、机や収納棚もあり、書斎としても使えると思います。

2階LDK

三方向に窓があり、光がたくさん入り込む2階LDK。キッチンから見渡せるリビングとダイニングの景色もお気に入りです。コーディネートの部分では、ガレージハウス特有の無機質さを演出するためにシンプルな模様のタイルや建具を多く採用しました。建具は外部空間との統一感を出すために黒で合わせ、アーバンさを出しながらも明るい色の床材やポイントで木を使用することで居心地の良さを意識しています。

・KAMIYAのカサエル
モノトーンカラーの使用は初めてでしたが、カエサルのダイナミックさと無機質なカラーが空間にとてもマッチしていて機会があればまた使用したいです。

・扉横の間接照明

・キッチンタイル

3階

3階には4部屋を配置。アイネストの物件には珍しく主寝室を3階に持ってきたので、お子さんと同じ階で寝ることができ安心だと思います。

主寝室を3階に置くことで、1階は趣味部屋、2階はみんなが集う空間、3階はプライベート空間と空間を分けることもできました。

屋上

屋上階からの景色は圧巻の一言に尽きると思います。塔屋の開口も可能な限り開けているので、東京のビル群はもちろん、富士山も見渡すことができダイナミックな景色を楽しめます。

Review

木造住宅とは思えないほどのダイナミックさを第一印象の外観・アプローチ空間から作ることができたと思います。天井高の高いシャッター付きガレージや遊び心あるユーティリティ空間には使い方がいくつもあり、暮らしがより豊かになる家が完成したと思いました。

Chief Producer:A.Z
注文住宅の設計士として経験を積んできたが、もっと自分の色を出した住宅をつくりたいと思いアイネストに。新しい風吹かせてます。最近は海にハマっていて、休日は釣りやダイビングに出かけています。