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3階建ての暮らしやすさをどう追求する?
今回のプロジェクトは、世田谷区の落ち着いた高級住宅地にある1棟現場になります。敷地の大きさを活かした外構や玄関、3階バルコニーも見所の1つですが、東横線エリアにあり、周辺環境や立地の良さはもちろんお家の中も暮らしやすい、そんな物件を目指しました。
プランニング
人気の東横線沿いに位置し、最寄り駅までも徒歩圏内、大きな通りも近いため車での移動もよく、とても快適なエリアだなという印象でした。敷地面積は113.90㎡と大きく開口も広かったので、それを活かしたゆったりと開放感のある住宅を作れたらいいなと思いましたね。4階にルーフバルコニーをつけることもできましたが、敷地が50㎝ほど上がっていたため3階に大きなバルコニーを設置し、抜け感を活かした生活がしやすく周りの環境にも溶け込むような構成でプランを進めました。また、外構は高級感を出し豪華に仕上げ、内装はグレーとオークを使いシンプルで落ち着きのあるコーディネートでまとめました。
外構
間口を活かした大きなシャッターゲートをメインに企画。高級物件が集まるエリアということもあり、プライバシーが守られ重厚感が出るシャッター付きの車庫にしました。外構に関しては、門扉・門塀・シャッターゲートの割付に1番こだわったと言ってもいいかもしれません。門扉は付けられるサイズが決まっているため、門塀とシャッターのベストなサイズを現地で何度も測りながら検討しました。中のアプローチ階段が狭くならずうまくブラインドになるように、それでいてシャッターゲートが小さくならないように注意しました。数センチの違いでまるで印象の違う外観になってしまうため、決めてからできあがるまではいつも少しドキドキしています。
シャッターゲートは、目一杯大きくするためにシングルシャッターではなくダブルシャッターで特注採用をし、外壁と同じジョリパットで仕上げています。大きい車も余裕を持って収納できますよ。
門塀裏の階段は白にグレーが混ざったような天然石を採用し、爽やかな雰囲気を出しました。壁を黒のタイルで引き締めたかったので、そことのバランスを取り重すぎず圧迫感が出ないようにしています。階段下にライトを入れることでより雰囲気も出たのではないでしょうか。
シャッターと門扉の中は扉や仕切りがなくアプローチから車庫への行き来もスムーズなので、車を停めた後でも大きい荷物などをストレスなく簡単に運べます。
玄関
外構と同様に間口を活かした玄関は、グレーガラスと鏡を使ったことで棚板が奧まで続いているように見え、実際よりもさらに広く感じられると思います。また、入った瞬間にこの先はどうなっているのだろうというワクワク感を与え、間取り以上にゆとりを感じて過ごすことができるのではないでしょうか。
2階
2階LDKはグレー(クロス・タイル)とオーク(床)を組み合わせたシンプルなコーディネートで計画しました。同じ色でもタイルとクロスの使い分けをしたりとシンプルな中にも落ち着いた高級感を出せたと思います。
窓を多く取れたことで北向きを感じさせないほどたくさんの光が入り込みます。ダイニング横の出窓は立体感を出してくれるので、広くゆったりとしたダイニングの空間を演出できたと思います。また、リビングの天窓は天井面の間口をできるだけ広げることにより高さ方向の空間を一定にせず、より開放感が感じられるように打合わせをし造作してもらいました。
3階
3階には3部屋+バルコニーを配置。3階へ上がった正面に大きなバルコニーを置くことで広がりのある明るい空間を演出することができました。間取りについては、敷地面積が大きい分選択肢もたくさんありましたが、4階ではなく3階にバルコニーがあることで洗濯物や布団を干す負担も少なくなり、使い勝手がよく暮らしやすい間取りになったと思います。周囲に高い建物がないので、ひらけた景色を存分に楽しめます。
バルコニーの向かいにある洗面台は、鏡が大きく収納スペースも十分です。カウンターも広いので、朝の準備も混雑することなくできると思います。天井はグレーのクロスを採用しましたが、自然光が入り込むので圧迫感なくまとまりました。
重厚感のある物件で、世田谷区の落ち着いた高級住宅地の雰囲気にうまく溶け込んでいるなと思いました。少し濃い目のコーディネートが余裕のある建物や外構、様々な空間を引き締めてくれてとても心地の良い家が完成したと思っています。3階のバルコニーは眺めも良く広いので、住む人により使い方のバリエーションがあるとても良い空間になりました。